カラオケバー開業のメリット・デメリット

いま人気のカラオケバー。開業する際のメリット、デメリットを解説します。
 

カラオケバーとは

カラオケバーとはカラオケが設置されているバーのことをさします。カラオケができるバーなので、お酒や軽食なども楽しむことができます。店舗形態は、通常のカラオケと違って個室になっているわけではなく、通常の店舗である場合が一般的です。

またカラオケバーでは、そこに滞在する人たちの前で歌うことが多く、同じ空間にいる人たちで曲を楽しみます。お酒をたしなみながらカラオケができるというと、スナックを想像しがちですが、カラオケバーは音楽好きな若者が集まるようなカジュアル場といえます。ドリンクなどもおしゃれなメニューが豊富である点もスナックとの違いといえるでしょう。

お客同士でカラオケを楽しむことができるため、初対面の人とも意気投合することもあるようです。

近年カラオケバーの店舗数が増えてきていている背景にはさまざまなメリットがあることが理由となっています。
 

カラオケバー開業のメリット

カラオケバーを開業するメリットにはどのようなことが挙げられるのでしょうか。

メリット

活気のある店舗の雰囲気とエンタメ

カラオケバーは、カジュアルバーであり気軽に大勢で楽しむことができます。カラオケバーは音の効果で活気があるようにみえるのです。大音量で曲が流れることで活気がある雰囲気をだすことが可能となります。

また大きな音で声を張って話すことになり、人同士の距離が近づいたりすることになりカジュアル感が増すことにつながり楽しい店内となります。店舗の広さが十分でない場合でも、エンタメを提供することができます。

客単価と満足度のアップ

本来の目的としていたお酒、または会話を楽しむ時間に加え、歌を楽しむ時間があることで来店した人の滞在時間が長くなります。滞在時間の長期化により、お酒や軽食などの注文が増えるという売上アップのサイクルへとつながります。

また会話のみで過ごすバーなどと比べて、カラオケを利用しながらお酒を楽しむ場合には、より場が盛り上がりやすくなります。カラオケ自体が会話のきっかけとなります。それらは楽しかったという顧客の満足度につながり、さらにはリピート率へとつながります。

宴会利用と団体客の獲得

カラオケの需要は多く、友人同士の飲み会、また会社などの宴会などの2次会ではカラオケ店を利用するという流れがあります。新型コロナウィルスなどの影響もあり、歌って飲める飲食店は少なくなっています。そのためカラオケバーは宴会の利用として、団体の顧客を獲得することが可能となります。

デメリット

コストの増加

カラオケを導入するにあたっては、機材を導入する費用のほかに、楽曲配信料や著作権料などのランニングコストがかかります。防音環境が整っていない物件の場合には内装工事の際には防音設備、防音対策を施す必要があるため内装工事にコストが大幅に膨らむ可能性が高くなります。

申請手続きがある

深夜酒類提供飲食店営業の許可申請、接待を伴う場合には風俗営業の許可申請が必要となります。いずれも所轄の警察署への届出をするのですが、営業方法を記載した書類や営業所の平面図、住民票などさまざまな書類を揃える必要があります。

騒音トラブル

カラオケを導入する店舗では、音漏れによる騒音トラブルが起こりやすいといった事実があります。そのため近隣との関係性が悪化してしまうと、営業に影響します。徹底した防音対策が重要です。
 

カラオケバーの開業

それでは、カラオケバーを開業するにあたりどのような点に注意するべきなのかを解説していきます。

カラオケバーの魅力は、バーを訪れた人同士が同じ空間で雰囲気を楽しむというのが最大の魅力といえます。知り合い同士の個室のカラオケボックスではない雰囲気を楽しむことができます。

物件選び

カラオケバーを開業するうえで重要なことは物件選びとなります。カラオケは近隣からの騒音問題があります。警察に通報されると、風営法違反で検挙されてしまうこともあり得ます。音漏れなどの問題を考えた物件選びを妥協せずに決めていく必要があります。借りようとしている物件の上のフロアが住居用のマンションの場合や、防音設備が施されていない物件はおすすめできません。

深夜酒類提供飲食店

深夜帯に営業を行うカラオケバーの場合には、深夜酒類提供飲食店の届出を行っている場合が多くみられます。深夜酒類提供飲食店は深夜営業許可となり、午前0時以降にお酒を主として提供するお店に必要な届出となります。これによって24時間営業も可能となります。

特定遊興飲食店営業許可を取得

午前0時以降にお酒を提供、カラオケをさせる場合には、特定遊興飲食店営業許可が必要です。特定遊興飲食店営業許可の取得するには、店舗の客室面積が最低33㎡以上必要となるため、ステージなどが設置されているようなカラオケバーの場合には、この特定遊興飲食店営業許可のが必須となります。

風俗営業許可を取得

カラオケバーでは、顧客に歌うことを勧奨することや手拍子などをして、顧客を褒めはやすこと、顧客とデュエットすることは接待行為に該当します。

上記のような接待行為をおこなう可能性がある場合には、風俗営業1号(社交飲食店)の許可が必要になり、午前0時~午前1時までと営業時間が定められています。それ以降に営業をしていると、時間外営業の違反となり、20日以上6ヶ月以下の営業停止が命じられます。また風俗営業を取得せずに接待が確認された場合には風営法の無許可営業で罰金や懲役、逮捕されてしまうこともあります。

また上記以外に、飲食店の経営で必須となる食品衛生責任者の資格と飲食店営業許可、防火管理者があります。
 

カラオケバー開業に係る費用はどれくらい?

カラオケバー経営に必要な資金は、500~700万円程度といわれており、費用の内訳は、大きく分けて3通りとなっています。

物件取得費用、内装工事費用

物件を取得し、好みの内装へと工事するのにかかる費用が300~500万円といわれており、一番コストがかかる部分となります。費用を抑える方法としては居抜き物件を狙うのがおすすめです。

スタッフのお給料

勤務時間や条件にもよりますが、キャスト1人分の月額のお給料としては20万円前後と考えられます。

カラオケ機器費用

カラオケ機器を導入するには、新品を購入する方法、またはレンタルすると2種類の方法があります。新品を購入する場合は、関連機材も含め100~300万円ほどかかります。一方、カラオケ機器はレンタルも可能であり、その場合には月額3万円~7万円で揃えることも可能です。楽曲をカラオケで配信、再生するための費用や著作権料なども把握しておきましょう。
 

まとめ

カラオケバーは需要が多いため、近年店舗数が増えてきました。カラオケバーの開業を考えている場合にはメリットや開業する際の注意点などを理解したうえで計画的に動きましょう。

物件選びは特に重要なポイントであり、必要な資格や許可なども確認しておくとスムーズな開業準備が可能です。