プロが紹介!自分でできるベランダの防水塗装
ベランダの防水塗装を自分で行う場合の手順などを紹介します。
ベランダの防水塗装とは
住宅の外壁同様にベランダは日々紫外線や雨、風などにさらされています。ベランダの床は、人が乗る部分であるため、傾斜などがつけられずに雨水がたまりやすい環境となってしまいます。それらは劣化の原因となってしまうため、雨風から建材を守れるように、塗装とともに防水処理が施されているのですが、年月が経つにつれ、効果を失ってしまいます。
そのような状態を放置すると、最悪の場合ひび割れなどから雨水がベランダの素地まで入り込み雨漏りを引き起こす原因となることもあります。そのため防水塗装は、マンションやアパートに限らず、ベランダや一戸建ての屋上やバルコニーといった部分で必要になってくる塗装です。
つまりベランダの防水塗装では、ベランダの床部分の水の侵入を防ぎ、床材の保護を目的としているのです。業者に依頼することで工事をおこなうことが可能ですが一般的に5~30万円の費用がかかります。金額にこれだけの幅があるのには、ベランダの状態が関係しています。
ベランダの状態を見極める
ベランダの防水塗装には、トップコートと防水層の2種類があります。
トップコート
床の表面の塗装を指します。トップコートだけを塗り替える場合の費用相場は2〜8万円です。トップコートは、防水性能よりも防水層を紫外線や雨から保護する役目が重要なため、費用は安いです。
防水層
水の侵入を防ぐ内部の塗装のことです。防水層から塗り替える場合の費用相場は10〜30万円です。上記の価格にはトップコートの塗装も含まれます。劣化が少なければ、トップコートの塗り替えだけで十分でしょう。
最低限、ベランダの下地について次の3つを確認するようにしてください。ベランダの床をモルタル部分から作り直す必要がある」といった構造部分の補修なら、費用が50万円を超えることがあります。
ベランダ防水塗装の種類
ベランダの防水に塗装には下記の3種類があります。
シート防水
シート状の防水素材を敷くことで防水をします。低価格というメリットがあります。シートを敷くため複雑な形状のベランダでは使用が難しいといえます。20平方メートル以上の広いベランダでの使用をおすすめします。
FRP防水
ガラス質のプラスチック塗料を塗って防水を施します。耐久性が高く、狭い場所に適しており、主に業者が使用する工法といえます。とがったものや重いものに弱く、破損する可能性もあるという点がデメリットといえます。ベランダの形状を問わずに使用できますが、性能がいいこともあり、高い費用がかかります。
一方で、シート防水やウレタン防水よりも価格が高額というデメリットがあります。業者がベランダの防水をする場合に利用することが多い防水方法です。ベランダ防水工事の様な狭い場所に対する防水工事はFRP防水がおすすめです。
ウレタン防水
ウレタン塗料を塗って防水をします。ベランダの形を問わずに細かい部分までしっかりと防水塗装することができます。シート防水と比べて、ベランダの形状を問わず細かい部分も防水でき、FRP防水よりも価格が安いメリットがあります。一方で、シート防水よりも価格が高く、FRP防水に比べると耐久性が低く、塗りムラが発生しやすいといえます。自分でベランダを防水塗装する場合にはこのウレタン塗装がいいでしょう。
ベランダの防水塗装を自分でおこなう手順
ベランダは、コンクリートや木造の下地の上に防水層があり、その上に塗装(トップコート)が施されています。自分でベランダの防水塗装をおこなう場合には表面の塗装であるトップコートになります。それ以外は難易度が高いため、おすすめできません。
ベランダの防水塗装はベランダの材質や状態によって異なる場合があるため、塗料の使用方法やメーカーの指示をよく理解しておこないます。まずはベランダの状態を確認するところから始めましょう。
- 防水塗装の剥がれや浮き、ひび割れがみられる
- 床に水たまりができる
- 床からの雨漏り
上記のように劣化状態が進んでいる場合には、床自体をモルタル部分から作り直す必要がある可能性も考えられるため、自己判断せずに業者に一度みてもらうといいかもしれません。自分自身で判断し防水塗装をおこなうと悪化してしまう可能性もも十分にあり得ます。
それでは、以下に手順を紹介します。
ベランダの清掃
塗装するベランダの表面に付着しているホコリや汚れなどをブラシや高圧洗浄機を使ってきれいに掃除しましょう。小さな凹みやひびがある場合にはパテなどを使い補修、サビがある場合にはサンドペーパーなどを使用して表面をキレイに整えます。周囲の壁や窓枠などをビニールシートやマスキングテープなどで養生、保護します。
塗料を準備
ベランダに適した塗料を選びます。木製ベランダには木材用の塗料、金属製ベランダには金属用の塗料といったように、それぞれに合ったものを選択します。
ウレタンの防水塗料は一液性、もしくは、下塗り材、防水塗料、トップコートがセットのものを選びましょう。一液性とは一つの材料だけで機能を果たすもので、二種類を混ぜる必要がないため失敗を避けることができます。自分で行う場合にはおすすめです。耐久性と防水性のある塗料を選びましょう。
また、下塗り材、防水塗料、トップコートがセットの材料を買いましょう。ウレタン防水加工は下塗り、防水塗料塗布、上塗り(トップコート)の順で施工します。そのため、セット材料を買うと必要な材料が一式揃います。さらに、セット材料は材料同士の相性が考慮済みです。そのため、違うメーカー同士の材料を使用し相性不良を起こす懸念を無くせます
プライマー(下塗り)
プライマーとは下地と防水材の接着性を高めるためにおこなうものです。プライマー塗布をする場合には丁寧におこないましょう。塗り終えたら乾燥させます。一般的には3時間から4時間程度ですが、乾燥時間は塗料によって差異があるため容器の説明をよく読んでおきましょう。
※下地が荒れている場合は密着性を高めるために下塗りをする場合があります。
トップコート
塗装は一般的には二度塗りをおこないます。十分な厚みを確保して、耐久性と防水機能を高めるためです。ローラーやコテなどを使い、外側から内側へ進むように一定の厚みを保ってムラなく塗っていきましょう。丁寧に塗れたら、あとはしっかりと乾燥時間を守りましょう。乾燥時間は塗料によって異なりますが、12時間~16時間程度かかると考えておきましょう。
片付け
塗装が完了したら、ベランダの保護シートやマスキングテープを取り除きます。使った塗料缶や道具をきれいに洗浄し、正しい廃棄方法で処理します。
塗料の乾燥への影響があるため事前に周囲の気温や天候条件を確認しておきましょう。塗料の安全データシートをよく読んで、適切な換気を確保してください。
ベランダの防水塗装を自分でおこなうメリット
費用が安い
自分で材料や器具を揃えるため費用を比較的安く抑えることができます。られます。高圧洗浄機や補修用の道具の量によってはプロに頼んだ方が安いこともあるため、ベランダの状態や業者の金額などを考慮しながら進めましょう。
悪徳業者に騙されない
中には悪徳業者が存在するため、不安がある場合には自分での防水塗装を行うほうがいいでしょう。材料の手配から施工までを自分で決定することになります。
日程調整が自由
自分の都合に合わせて日程を計画することができます。ただし思い付きではなく、乾燥までの期間を含めて天気用法などを確認しながら計画的におこないましょう。
ベランダの防水塗装ポイント
ベランダの防水はさまざまな工法や塗料の組み合わせがあり、住宅の下地にあった素材を選ぶことが重要です。確実な仕上がりを求めるなら、専門の業者に任せるほうが安心といえます。住宅に一部であるベランダは、防水機能がなければ雨漏りなどの原因にもなってしまいます。定期的にメンテナンスをしてきれいな状態を保ちましょう。
まとめ
ベランダの塗装は技術を要する場合があるため、必要に応じて専門の業者に相談することもおすすめです。じぶんで行う場合には安全に十分注意して手袋やマスク、保護メガネなどを着用することも重要です。