プロが解説!カーポート設置の費用相場と注意点

ガレージよりも手軽なカーポート、設置にかかる費用の相場と注意点を解説します。

カーポートとは

住宅の敷地内に家屋に隣接させる形でつくられる簡易的な車庫のことを指します。建物に付帯して設けられる、恒久的な屋根や壁があるガレージとは区別されます。つまり壁などはなく、市中に屋根を取り付けた構造となっており、周りは囲われていないものとなります。設置は短時間で済み、がレージに比べて費用も安価となります。車の出入りもしやすく、不要になった場合には撤去することも可能です。

カーポートとガレージの違い

固定資産税の違い

カーポートは、ガレージのように建築基準法による規制を受けることなく固定資産税の対象外となります。税金に関する詳しいことは自治体によって異なるため自治体のホームページなどで確認するといいでしょう。

工事期間と施工費の違い

カーポートの設置は工事期間が短く、費用の負担も少ないです。一方でガレージには基礎工事が必要なので工程が増える分、工事期間が長くなり、費用も高額となります。

設置スペースの違い

柱と屋根を取りつけるだけのカーポートは、狭いスペースでも設置が可能です。ガレージは、全体を囲う壁と内部で乗り降りに必要なスペースを確保する必要があるため、大きなスペースを必要とします。

防犯性

シャッター付きのガレージであれば、四方を囲うことができるだけでなく施錠も可能となります。そのため防犯性は非常に高いといえます。カーポートは屋根のみで壁はありません。そのため防犯性に関しては高いとはいえません。センサーライトや防犯カメラなどの設置によって防犯性をあげましょう。

カーポートの役割

日差しを遮る

夏の暑い日差しや雨などから車を守ることができます。車は直射日光に照らされ続けていると車内温度があがってしまい、車の部品の変形やカーナビなどの電子機器故障の原因につながる場合があります。カーポートの屋根にはUVカットの素材や日光反射などの素材を使用するため、車内温度上昇の軽減や、車自体を守る役目をしてくれます。

雨を防ぐ

雨による汚れも防いでくれたり、人が乗り降りする際に濡れることも少なくなるでしょう。

空からの落下物から守る

カーポートは屋根があるため上からの落下物などから車を守ることができます。ひょうやあられによってフロントガラスが割れてしまったり、車体の傷やへこみとなってしまう状況を防ぐことができます。また鳥のフンなども付着するとサビの原因となったり、乾くと取りずらくなってしまうような事態を避けることができます。

雪から守る

降雪地帯では雪に車が埋もれてしまったり、車を出す際に除雪が必要となる場合があります。カーポートによってそれらの作業を軽減することができます。

カーポートの設置費用の相場

カーポートの設置には一般的にどれくらいの費用がかかるのかを解説します。工事費と本体代金の2種類の費用がかかることを把握するためにも、以下のように工事費の相場も押さえておくと良いでしょう。また下記の工事費の一例はあくまでも低価格クラスの工事を行なった場合の目安ですのでご注意ください。

一般的なカーポート設置工事の費用内訳

カーポート本体

サイズにより追加料金が必要となります。

カーポート標準工事費用

標準工事には、カーポートの柱を立てる地面の穴あけ、基礎工事、カーポート本体の組み立てが含まれます。施工業者やカーポートの大きさにより価格が変わってきます。また基礎工事の際に掘った穴の土の処分も依頼する場合には、別途追加費用が発生します。

台数 費用
1台用 40,000円~200,000円
2台用 70,000円~300,000円
3台用 100,000円~500,000円
4台用 200,000円~900,000円

加工費用

加工費用は、設置場所や用途に合わせてカーポートを加工する場合にかかる費用です。設置場所の広さや障害物の位置に合わせてカーポートの屋根をカットする必要がある場合には一か所につき数千円~の費用が発生します。また、車高の高い車を入れるために支柱を高くする場合は約10,000円~の追加費用がかかります。

オプション費用(オプションをご希望の場合のみ)

カーポートの加工が必要な場合やオプション品を追加する場合は、標準工事費用に加えて加工費用、特別工事費用がかかります。

既存カーポートの解体処分費

既に設置してあるカーポートの撤去が必要な場合、カーポート本体のみの撤去におおよそ30,000円~、基礎も含めた撤去には約60,000円~の工事費用が追加となります。カーポート新設時は発生しない費用となります。

その他(周辺環境を整備するための費用)

カーポートを設置するために周辺環境の整備が必要な場合もあります。例えばカーポートを設置する予定の場所がコンクリートだと、柱を立てるためのハツリ工事が必要です。この場合、1箇所ごとに3,000円前後の費用が追加されます。

カーポート設置の注意点

カーポートの設置場所

カーポートを設置する際に、住居建物やエクステリアと、どの程度近づけてカーポートを設置するか注意が必要です。台風や竜巻突風、地震などの影響によりカーポートが住居をを傷つけてしまう恐れがあるのです。また、カーポートの敷地内に樹木が生えている場合は樹木が折れることや樹木の成長により、カーポートの屋根を突き破って破損させる恐れがあります。

隣人への配慮

カーポートから落ちる雨や雪が、近隣の土地に流れ込むとご近所トラブルの原因となることが考えられます。雨樋の設置などでそれらを回避することも可能なので、検討してみましょう。

豪雪地帯や急傾斜地

雪が多く降る地帯では、カーポートの形状や素材などを慎重に選ぶ必要があります。雪の重みで破損しないためです。また、急傾斜地では、柱を設置する場所の土壌がカーポートの設置に耐えられるものであるかをあらかじめ確認する必要があります。

カーポートの柱の位置と車のドアの位置

カーポートを設置する際に注意したいのは、車のドアの位置です。車のドアの開閉が困難な位置に柱がこないようしっかりと設計しましょう。

カーポートの大きさ

車のサイズや台数に合わせてカーポートを選ぶことになりますが、現在持っている車だけでなく、今後、車を買い替えた場合や台数が増える可能性などを考慮しておきましょう。また自転車やバイクなども一緒に停める場合にはそれらも含めたサイズ感で選ぶことが重要です。

複数業者に見積もりを依頼する

カーポート本体の価格や施工費用は業者によって大きく異なります。見積もりは複数業者に依頼してください。価格相場を把握するため、価格交渉のためにも複数の業者から見積もりをとるようにしましょう。

まとめ

カーポート設置にかかる費用は、業者やサイズ感、カーポートの素材、形状によって大きな差があります。予算と地域の気候、利便性など、注意深く考慮して、カーポートの設置に詳しい業者を選ぶようにしましょう。